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RNO--790
 12月 本科生講座
演題     【今、司法分野で何が起きているか】
  講師                  弁護士   佐野 義房 先生
講演要旨
1.司法(裁判所、検察庁、弁護士会)の現状
  夏に政権交代が起きて、政治の分野ではマスコミの脚光を浴びることが多 くなった。それに比べ司法会の分野はマスコミに報道されることが少ない。 本日は、司法の分野ではどんなことが問題になっているかお話ししたい。
  司法の分野は、裁判所、検察庁、弁護士会と分かれており、これを司法三 者という。裁判所、検察庁というとこれまでのお役所的、閉鎖的な機構の意 識改革を初めに訴えたのが、弁護士の中坊公平である。現在は民主党政権に なり千葉法務大臣に大きな期待を寄せている。千葉県弁護士会でも、弁護士 会は敷居が高く近寄りにくいという問題をなくし、気軽に何でも相談できる ようにしていこうという運動を始めている。その一例として、弁護士の数が 少ない、あるいは弁護士はいるが、担当する地域が広すぎて手が回らない。 この問題に対して、千葉県弁護士会では弁護士が自腹を切って費用を出し合 い、公設事務所をつくり、弁護活動に当たっている。もう一つの例として  は、最高裁判所の判事は15名いるが、その内訳として、裁判官出身5名、検 察官出身5名、弁護士もしくは学識経験者出身5名の比率で構成されている。 しかし、この中の弁護士もしくは学識経験者5名は東京の三つの弁護士会、 大阪弁護士会、兵庫弁護士会のいずれかの会に所属するものだけが推薦され 決められていた。日弁連ではこれを今年の11月理事会で改め、どこの都道府 県に所属する弁護士であっても、50名以上の支持者がいれば最高裁判事に推 薦できることとした。
2.裁判員裁判の実施状況と問題点
  5月21日に裁判員裁判は始まった。千葉県では裁判員裁判は千葉地裁の 本庁だけで行われている。これが始まった当初は、裁判員裁判の行われた件 数では千葉県が全国一位、大阪府二位であったが、9月ごろから大阪がトッ プとなり、11月の統計では千葉県は二位を保っている。予想以上の多さ  は、千葉県が成田空港を抱えており、薬物事犯が多いからだ。それだけでな く、強盗殺人致傷の事犯が飛びぬけて高いのも千葉県の特徴である。
  これを捌く弁護士数は450名前後で、大阪府の3200名前後と比較す るときわめて小数である。千葉県弁護士会では弁護士探しに四苦八苦してい る。同様のことが裁判官、検察官不足が起きている。
  裁判員裁判が取り入れられるようになった理由は、市民の司法への参加が あげられる。裁判官の中には世情に疎い人がいる。そこに市民感覚を持ち込 み、より公正公平な裁判をする必要がある。また、被告人がどんな状況の中 でどんな心境となり罪を犯したのかということを軽視した、調書裁判(書類 を重視した裁判)を無くそうとするねらいもある。しかし、現在行われてい る裁判員裁判のシステムが完全なものとは言えず、これからも改善していく 必要がある。
3.取調べの可視化の問題    略
4.法曹人口の増大にともなう諸問題の発生   略
5.日本司法支援センター(法テラス)と弁護士会の関係   略
6.貧困、自殺問題に対する取り組み   略