Go Zitudai.HP
RNO--6987
 平成30年 5月 聴講生講座
  講師 敬愛大学国際学部教授
   水口 章 先生
 
講演要旨

 国際情勢は、国際レベルでは国益第一主義を表明する国家の登場により、国際秩序を維持していた機関や制度の機能が低下している。また、国家レベルでは高度通信・交通システムの急激な発展により価値が多様化し、国家の統合性が揺るがされている。こうした歴史的な変動期の中、個人レベルでは災害リスク、経済リスク、紛争リスクに直面している。
 本講座では、2011年のアラブの春以降、地殻変動が起きている中東地域を「鏡」として、期待と不安が高まる北東アジア情勢に、個人としてどう向き合っていくかについて考えたい。

講演内容

1 主要な国際情勢
 ・世界潮流
  富の偏在化が進展
  所得階層間のみならず、世代間、地域感で分断がみられる
  不安感の増大、所属意識の強まり、既存の価値観を原理主義的に信奉傾向
 ・経済
  産業構造改革、働き方改革
  世界経済の需要低迷
  中国の経済成長
  石油・天然ガス価格の低迷
  資源争奪
 ・政治
  アメリカの役割の縮小
  EU統合の変化
  ロシアの台頭
  朝鮮半島問題
  中国の大国意識
  内戦後の平和構築
  市民の社会運動
  国際テロ対策
  移民・難民問題
  分離独立の動き
 ・その他
  軍縮問題
  気候変動・自然災害・感染症の拡大
  世界人口の増加と移民の増加
  科学技術の進展とライフスタイルの変化
2 日本の懸念材料
3 「議論による統治」(government by discussion)について
  ・「議論による統治」とは
・「議論による統治」は日本に根付いたか。

まとめ
 「議論による統治」の必要性
 ・「慣習の支配」によって、近代化に求められた人の自由は制限され、独創性は停滞する
 ・「議論による統治」では、絶対的なリーダーの即断、迅速な行動よりも、
   長時間にわたる議論、それを許容する多様な人々の存在、態度が重要である
 ・今日の国際社会は、衝動的な行動至上主義の克服の結果であり、
  「行動より思考」(熟慮)が重要になっている