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RNO--5798
 2017年1月 聴講生講座
演題【身近な省資源・省エネルギー(潤滑油の話)】
  講師 出光興産株式会社 潤滑油二部
    主幹部長 後藤 雅久 先生


講演要旨

 摩擦は大変古くから活用されてきているが、学問としては1500年頃レオナルド・ダ・ビンチが取り上げたことに始まる。
 “トライポラジー”(潤滑)の語源は1966年に英国における潤滑に起因する経済損失の調査と産業界への必要性を提案する報告書(J ost report)の中で始めて提唱されたが、その重要性から、設計、材料、潤滑剤を手段とした“トライポロジー的問題”解決が加速し、現在に至っている。
 今回、潤滑(トライポロジー)と潤滑剤、身近な潤滑油による省資源・省エネルギーについて概説する。

・身の回りで働く潤滑油
   自動車・冷蔵庫・ドアクローザー・エアコン・エコキュート・DVDディスク等
   潤滑技術の進歩により、機械が円滑に働くことで、生活水準が向上し、省エネルギーに繋がった。
・トライポロジーの目的
  定義---「摩擦」「摩耗」「潤滑」に関する科学技術
  目的---1.摩擦の制御  2.表面損傷の防止ないしは軽減
  問題--- 相対運動するところに必ずある   相対運動が存在する限りある

・“トライポロジー的問題”解決の手段
   1.設計 2.材料 
   3.潤滑剤⇒定義 摩擦面に第3の物質を介在させて、摩擦を制御し、表面損傷を防止ないしは軽減することを『潤滑』といい、その物質を『潤滑剤』という

・“トライポロジー的問題”解決における潤滑剤の役割
  潤滑剤 ⇒ ①摩擦面間に荷重に耐えられる圧力を持った油膜を形成させ、直接接触を防ぐ(基油の役割)
 ②万が一接触した時に滑りやすくすると共に、摩耗しにくい潤滑膜を形成させる(添加物の役割)
  いずれも摩擦面の接触状態を和らげることが目的➡どのような接触形態であるかが重要

・摩擦係数とは
・潤滑油剤に期待する作用効果
・潤滑剤の形態別分類、潤滑油基油の種類
・潤滑油の用途別分類,種類
・“トライポロジー的問題”解決手段の潤滑剤
  粘度が重要な訳
・潤滑油製品の構成
・添加剤の種類とその作用
・潤滑を支配する因子とストライベック曲線
・すべり軸受の潤滑状態(流体潤滑)
・ガソリン車各部のエネルギー損失
・自動車における摩擦のコントロール
・潤滑油の劣化に及ぼす諸因子
・潤滑油の劣化と使用限界、機械故障の関係
・潤滑油の選定プロセス
・潤滑管理と更油
         についてスライドで説明

     -潤滑上手は節約上手!-
   GNP対比3%の経済効果が期待できる
           ⇑
 潤滑の適性化による経済効果
 1.保全費、部品交換費の節約(36.8%)
 2.耐用年数の延長による設備投資の節減(24.1%)
 3.故障で生じる波及効果の節減(18.4%)
 4.労働力の節減(11.3%)
 5.稼働率、機械効率の向上による設備投資の節減(4.8%)
 6.摩擦低減によるエネルギ―消費の節減(4.2%)
 7.潤滑油経費の節減(0.4%)