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RNO--5797
 2017年 1月 本科生講座
演題 【 高齢者と運動器疾患 】
          講師   千葉大学大学院医学研究院整形外科学
               前教授 高橋 和久先生
 

 65歳以上の人口が総人口に占める割合を高齢化率と呼ぶ。
 高齢化率21%以上の社会を「超高齢社会」と呼ぶが、日本の高齢化率は26%であり、すでに超高齢社会となっている。2014年の日本人の平均寿命は、女性が86.83歳で世界第1位、男性も80.50歳で 世界第3位。 一方、「日常生活に介護を必要とせず、心身ともに自立的な状態で生存できる期間」を健康寿命と呼ぶが、日本人の健康寿命は女性74.21歳、男性71.19歳であり、平均寿命との差はそれぞれ12.62年、9.31年である。
 運動器とは「体の運動に関わる骨、筋肉、関節、神経などの総称」であるが、要支援・要介護になった要因の中で、運動器の障害が25%を占める。すなわち、日本人の健康寿命をのばすには運動器疾患に対する予防・治療が大切である。
 日本整形外科学会では、運動器疾患の予防・治療を啓発するため、「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」という概念を提唱している。
ロコモティブシンドロームとは、手足・背骨の障害のために体が動きづらくなる状態をさす。

○ ロコモティブシンドロームの可能性をチェックする7項目テスト
 1. 片足で靴下がはけない
 2. 家の中でつまづいたり、すべったりする
 3. 階段で上がるのに手すりが必要である
 4. 家のやや重い仕事(掃除)がやや困難である
 5. 2K(ペットボトル1本)程度の買い物をして持ち帰るのが困難である
 6. 15分位続けて歩くことができない
 7. 横断歩道を青信号で渡りきれない(秒速1mで歩けない)

○ ロコモティブシンドロームの程度判定する
 ① 立ち上がりテスト40㎝(トイレの便座・電車の椅子)の椅子から片足で、立ち上がる
 ② 2ステップテスト 歩幅のテスト 大股で2歩歩いて身長で÷
 ③ ロコモ25(25項目の自記式質問票)からなるロコモ度テスト

ロコモ度テストの結果により、
・ロコモ度1・・・体が動きづらくなり始めた状態、筋力訓練、バランス訓練を行う
・ロコモ度2・・・体の動きづらさが進行している状態 整形外科医受信が望ましい
  が判定される

・ 腰部脊柱管狭窄症・変形性膝関節症・骨粗鬆症と骨折・サルコペニアは 高齢者の代表的運動器疾患であり、ロコモティブシンドロームの要因となる疾患である
 骨折は早く手術してリハビリする

 骨粗鬆症の治療  
・カルシュウム、ビタミンDを含む食事      
 ・運動療法        
 ・薬物療法

サルコペニア 筋肉落ちる65歳~ 握力でチェックする=全身の筋力と一致する
   ⇓
*予防のトレーニング
 1. 片足立ち 1分間
 2. スクワット 肩幅より広く開いて、椅子に座る感じで膝がつま先より前にでないように5~6回繰り返し1セット→1日3セット
    足腰、筋力の強化・バランス力の向上  
 
* 健康寿命の維持
   ・ 好きなことを楽しんで行う
   ・ 好きなことを楽しく行う
   ・ 疲れたら休むが、過度の安静は有害
   ・ 予防できる病気は予防する
   ・ 人のため、社会のために役立つことを行う