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RNO--5232
 2016年 5月  本科生講座   
 演題  【 動物はおもしろい 】
  講師  千葉市動物公園 園長 石田  戢(おさむ) 先生

講演要旨
  昭和46年、大学を卒業して上野動物園(東京都庁)に就職して初めてしげしげと動物園 を見ることになったが、動物を観察していると面白くなってはまってしまった。
  何か動物園のお役に立ちたいと思って、素人の私に何ができるかを考えた。
  一方、さらに観察をしていくと色々なものがみえていたが不思議さは増すばかりである。
 わかればわかるほどわからなくなる。そこで定期的・本格的な観察をはじめることにした。
 ほかの飼育係と同じことをやっても面白くないので、核を変えて観察することを心掛けて進 めた。
  ・ 実験する : 実験的なことを考える
  ・ 想像する : サルに音楽を聞かせる、ゾウにかまぼこ、ライオンにゾウの糞
  ・ 疑問を持つ: タンチョウはなぜこんなところに卵を産むか。
  ・ 比較をする: サルの違い、近い仲間の動物は同じ行動をするか
 仮説を立てて確かめてみると、ことごとく外れた。自分の観念性に呆れた。
 
  哲学という学問をやっていると悪い癖がつく。「物事を纏めたがる。」「雑多なことか  ら、単純な結論へ」「時間軸を軽視する」
  しかし雑多なことは、それ自体として面白い。動物考現学とでもいおうか。
 多様性へ目覚めることになった。これは人生観の転換でもある。
  確かに人間に最も近いとされる類人猿だけでも、それぞれ全くことなる生きざまをしてい る。これが100万種(一説には、500万種とも1000万種ともいわれている。)だとどうなる のか。さらに個性(個体差)もあるのだ。
  動物園という世界は同質性が高い世界なので、異質な人材の必要性もあることを考えると
 内部に変わり者がいても、何らかの役に立つだろうと思い、「転職する」ことにした。
 幸いにも試験に合格することができた。
  仕事は面白がればつらいことも何とかなるだろう。楽観的な性格なのである。
  現在は動物の多様性を守ることを目標として、動物園内(域外保全)と野生動物(域内保 全)の両方の保全を心掛けつつ仕事をしている。