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RNO--4871
 2015年 9月 本科生講座
演題【 老老介護の現状と課題 】
  講師 弁護士 渥美雅子 先生
 
講演要旨
 平成19年12月7日、91歳の男性がJR東海の電車に轢かれて死亡しました。JR東海はその男性を介護していた85歳の妻に対して損害賠償請求を起こし、それが現在大きな話題になっております。この事件の問題点を抽出し、更に一般的な問題(老々介護に基づく介護離職や介護ウツ等)とその対策に言及していきたい。

講演内容
1 認知症老人鉄道事故死事件
1審判決 JRの請求をほぼ全面的に認め、妻と長男に約720万円の賠償を命じた。妻側が控訴。
2審判決 妻が介護に努めていた事情を考慮し、JR側にも過失があったと認定。妻の責任を軽減し、賠償額を約360万に半減。
2 高齢化、要介護、認知症の実態
長寿 平均寿命 女性 86.83歳、男性 80.50歳
   平均余命(60歳時) 女性約29年 男性約23年
   4人に一人が、65歳以上、10人に一人が75歳以上
3 現在の対応
高齢社会対策基本法(1995年)
介護保険制度(介護保険法2000年)
育児介護休業法(介護休暇、介護休業、残業・深夜業の制限)
オレンジプラン(認知症対策推進5カ年計画2013〜2017)
 認知症患者は65歳以上の人口の15%
地域医療・介護総合推進法(2014年)

現状 家族介護、老々介護・・・日本の特徴
4 問題点(自宅介護の限界)
 ・介護離職(年間10万人) 離職後の生活不安
 ・介護ウツ
 ・虐待(無理心中、殺人)
5 問題解決に向けて
 ・介護の社会化(施設増設、入所待ち52万人)財政的支援
 ・介護休業の見直し(分割取得、期間延長、所得補償)
 ・仕事と介護を両立できる企業内支援制度の普及