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RNO--4857
 2015年 7月 聴講生講座
演題 【『平家物語』の語りと思想】ー「祇園精舎」の章段をめぐ
  講師 千葉大学名誉教授 栃木 孝惟 先生

講演要旨
『平家物語』は目で読まれる作品であると共に琵琶法師によって語られる語り物でもありました。流麗な文章で綴られる『平家物語』の中でも、「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、・・・たけき物も遂にはほろびぬ、偏に風の前の塵に同じ」という冒頭の一文はこの作品の中でももっとも人口に膾炙した文章と言えましょう。この短い文章の中に『平家物語』のどのような思想が、またどのような語りの特性が潜んでいるか、この物語の奥深い世界の一端を探訪しようと思います・

講演内容
『平家物語』の語りと思想ー「祇園精舎」の章段をめぐって
 ・対句の確認
 ・平康頼『宝物集』から
 ・源信『往生要集』から
 ・『栄花物語』から
 ・和漢朗詠集『朗詠注』から
『大般涅槃経』偈 私訳
 この世にある一切の生きとし生けるものは
 皆、死にいたるのです。
 どんなに寿命がながかろうとも
 必ず命の尽きる時はくるのです。
 勢いのよい状態にある者(盛んなる者)も必ず衰える時がやって来、
 出会うものは別れを持たねばなりません。
 盛りの時代は久しくつづくものではなく、
 健康も病によって侵されます。
 命は死のために呑まれ、
 1つの定まった真理として、この世に永遠に生きる者はないのです。