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RNO--4765
 2015年 4月 本科生講座
演題 【 遺伝子といのちの不思議 】
  講師 千葉大学名誉教授・本校学長 橘 正道 先生
 
講演要旨
 子は親に似る。カエルの子はカエル。これは遺伝子が伝えられていくからである。遺伝子の正体は? それは物質 DNA である。どういうもので、どういう働きをするのか。生物を支配する、とんでもない物質の秘密を探り、生命の奥底を覗く。特に、ほぼすべての多細胞生物が2つの性を持ち、これが多くの生物活動の基礎となっている。一人ではその支配は多くの社会・文化活動に及ぶ。その根源には遺伝子の関わりがある。掘り下げて考えたい。

講演内容
 遺伝子は生命の設計図ーー物質的本体はDNA
   これは生物の活動の随所に顔を出すーー人はなぜ恋をするのかまで
1 遺伝子といえばメンデル 何を見つけたかーその内容は深い
2 染色体の研究がそれに続き多くの成果、しかし染色体は遺伝子そのものではない
3 遺伝子の物質的本体の追求
4 DNAが遺伝子の本体
  核酸 DNAの構造、二重らせん構造
5 遺伝子は何を決めるのかー主にその個体のタンパク質を決めるー正しくはタンパク質のアミノ酸配列
  タンパク質の構造:アミノ酸が何十個から何百個と直鎖状に結合してできる
6 遺伝子DNA上の信号ー核酸塩基の並び方ーそれがいかにしてアミノ酸の並びを規定するか
7 同じ役割の遺伝子は1つの細胞内に2つあるー対立遺伝子
  1つは父親、1つは母親からのコピー
  2つある意味は、1つに欠陥があっても、他の1つが補うこと
8 1つの細胞の中で、全ての遺伝子が同時に働いているのではない。休んでいるものも多い
9 遺伝子は不滅かーいや、刻々と傷つく、多くは直るが傷も残るー突然変異という
10 子孫の細胞への遺伝子の伝わり方ー2種類の細胞分裂
   A 有糸分裂  体細胞の分裂 染色体数変わらず
   B 減数分裂  配偶子を作る 染色体数半減 遺伝子は2セットから1セットになる
11 有性生殖、その目的と手段
   各配偶子の遺伝子構成は異なり、しかも2つの個体(動物ではオスとメス)の配偶子の合体で子が生ずる。
   そこまで念入りに子孫の多様性を確保する、生物種の生き残り戦略
   2つの個体の共同作業ー時には自分の生命を犠牲にしてもこの目的を果たす。
   生物種による生の生態さまざま、人では社会生活、文化の何十パーセントまで入り込んでいる