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RNO--4332
 2014年 4月 本科生講座
演題 【 医学史に学ぶ 】
  講師 千葉実年大学校学長 橘 正道 先生

講演要旨
 近年、医療が多くの問題を投げかけている。人体の構造と働きは複雑、精妙であり、その障碍を治すことは、かっては人力を超えたもので神の領域とされた。よく現在のレベルに到達したものである。ひたむきな努力の集積による。しかし完全なはずがない。
 特に近代医学の発展期に見る、人間の賢さと愚かさ、成功と挫折、真実と偽りの交じり合いを振り返ってみたい。これは部分的に現在にも通じることである。

講演内容
医学史概説(の概略)
・古代および中世の医学
 古くは病気を祟り、祈祷に頼る。医術は「慰術」「呪術」。東洋でも西洋でも、医学は長く哲学。
 ギリシャのヒポクラテス・・・医の倫理の根本を確立、「医聖」と呼ばれる。
 ローマのガレノス・・・・・・壮大、堅固な理論の構築。「自然治癒力」を重視。
 中世ヨーロッパ、医学の実質的な進歩は少なかった。
・ルネッサンス医学
 医学が科学の領域に。解剖学な発達。
 生体を物理的存在とみなし、解析し、多くの成果。
 イギリスのハーヴェイの血液循環論
 古来、健康の主な敵は、感染症、栄養障害であり、子供の死亡率は特に高かった。
 14世紀中頃のペスト流行
 ジェンナーの種痘法の発見
・19世紀の医学
 人間が自分の能力と、進歩を信じ切れた時代。自然科学、人文科学、芸術の進歩はすばらしい。
 ゼンメルワイスと産褥熱
 クリミア戦争の悲劇、ナイチンゲールの活躍
 天才パスツールの偉業
 日本の風土病ー脚気
   脚気病菌説と陸軍の頑迷
   ビタミン学の始まり
・20世紀の医学
 臨床医学の進歩は著しい。しかし、生命倫理学の必要性、医原病の発生。
 医療は元来難しく、ときに怪しく、また経費がかかる事の認識が必要。