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RNO--4257
 2013年 12月 聴講生講座
演題 【 日本の古典文学 平家物語 平重盛の生と死 】
  講師 千葉大学名誉教授 栃木 孝惟 先生

講演要旨
 平清盛の嫡男重盛は「平家物語」前半の重要人物のひとりである。物語の世界において清盛の諌言者として機能づけられた作中人物としての重盛は鹿谷の陰謀の首謀者成親を死罪に行おうとする父清盛を諌め(巻二「小教訓」)、さらには平氏討伐を企てた陰謀の中心には後白河法皇その人が存在することを確信して、後白河法皇の幽閉を決意する清盛の行動を抑止する。異朝本朝の歴史を通じ、該博な知識を備え、儒教・仏教の教えを人格化したこの嫡男は唯一清盛の憚り思う存在であったが、その重盛の諫言はいったんは成親を流罪に減刑し、後白河法皇の幽閉を清盛に断念させる結果を生んだかに見えた(巻二「教訓状」「烽火之沙汰」)。しかし、物語は、結局、重盛を物語世界の勝利者としては描かなかった。この父子の間に展開する人間劇、歴史劇、時代の得意な死生観を見つめる。

講演内容
参考資料・<日本の古典文学>平家物語ー平重盛の生と死ー
1 「平家物語」の世界において、重盛の登場する章段
2 「平家物語」の冒頭章段 「祇園精舎」
3 「清水寺炎上」
4 父清盛と子重盛の会話
5 清盛。後白河院の蜜月時代
6 後白河院あるいは院近臣と清盛の関係の亀裂
7 成親と重盛の関係
8 重盛の述べる成親死罪減刑の理由
9 重盛の抜きん出た能力
10 重盛・清盛の対面
11 後白河法皇幽閉を決意した清盛に対する重盛の諫言の要約
12 平家物語 平重盛の生と死・後半の概要