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RNO--222
 9月 本科生講座
演題         [脱・エイジング・プア]
                   講師  弁護士  渥美 雅子 先生
1 エイジング・プアとは年をとって貧乏になることをいう。収入もなく、貯金も乏しく、扶養してくれる家族も居ない。そんな状態をいう。
 高齢者の人口は2500万人を突破しているが、高齢者無職世帯では1ヶ月あたりの家計の赤字が平均4万6600円になるという。また、現在生活保護を受けている世帯は約105万世帯で、その45%が高齢者世帯だという。高齢になって貯蓄もなく、年金だけでは生活できず、働きたくとも働くことができず、しかも家族からの援助も期待できず、その結果、生活に破綻をきたす高齢者層が大きな問題となっている。
2 街で、ホームレスの老人を見かけることが多くなった。刑務所の新規入居者にも老人が増えた。生活保護世帯の約半分は老人世帯である。
 法務省の犯罪白書によると、2005年の新たな受刑者のうち60歳以上は3460人で、01年に比べて48%増と急増している。また自殺者の約57%は50歳以上だ。刑務所はとりあえず衣食住があり、医療も受けらける。社会保障や生活保護から、落ちこぼれた高齢者が、刑務所を最後のセイフティーネット(安全網)としているという、格差社会のひずみが見えてくる。
3 エイジング・プアにならないためにどう生活防衛をすればいいか、法律的な見地から老後の対策を考える。
 少子高齢化が急速に進む中、政府を中心に「70歳まで働ける企業」を目指す動きが広がり、具体的な提言も出始めている。昨年施行された改正高齢者雇用安定法は、企業に対して65歳までの雇用確保の措置を取るように義務づけた。また、高齢・障害者雇用機構「70歳まで働ける企業」へ向けた提言をまとめた。これにより、大企業の間では60歳以上の人材を働き手として生かすための取り組みが広がってきた。